子どもの病気について

 

溶連菌感染症
溶連菌とは、正しくは溶血性連鎖球菌という名前の細菌で、溶連菌感染症は、この菌に感染して起こる病気の総称です。最も多いのは扁桃炎(のどの感染症)です。38〜39℃の高熱が出て、体がだるく、急にのどが痛くなります。頭痛、腹痛、嘔吐などを伴うこともあります。舌の表面が赤くイチゴのようになるのも特徴の一つです。全身に赤くて小さい発疹が出て、その後、皮膚がぽろぽろとむけることもあります。 

検査は、のどの壁を綿棒でこすって、菌があるかどうか調べます。溶連菌が確認されたら、抗生物質(抗菌薬)で治療を行います。抗生物質を飲めば1〜3日で症状は軽くなることがありますが、医師の指示どおりの日数分、きちんと飲み続けてください。勝手にやめると、しばらくして急性腎炎やリウマチ熱を起こすことがあります。念のため、症状がおさまってからのどや尿の検査をすることもあります。 
薬を勝手にやめないことが、最も大切な注意点です。のどに痛みがあり食欲がないときは、熱いものや硬いもの、刺激の強いものを避けて、食べやすいもの、のどごしのよいもので、水分や栄養を補給しましょう。
条件によっては出席停止になる病気です。医師とよく相談して、大丈夫と言われるまでは登園・登校は控えましょう。
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インフルエンザ
日本では大体12〜3月にかけて流行しますが、ふつうの風邪とはウイルスも症状も異なる別の病気です。一般に高熱が出て、頭痛、のどの痛み、せき、鼻水などの症状のほかに、身体がだるい、関節痛、筋肉痛などの全身症状が現れるのが特徴です。吐き気や嘔吐、下痢を伴う場合もあります。
原因となるインフルエンザウイルスにはいろいろな種類があり、年によって違うタイプのものがはやります。症状は5日〜1週間でおさまりますが、完全に治るには10日〜2週間、時にはそれ以上かかります。また肺炎や気管支炎、脳炎、脳症、中耳炎などを併発することもあります。 

治療方法は?

熱やせき・下痢などそれぞれの症状を和らげる治療と、ウイルスに直接効く薬(抗ウイルス薬)を使う治療がありますが、その使用や使用時期についてはかかりつけの先生にご相談下さい。 
安静にして、水分を十分に摂りましょう。インフルエンザの子どもには使ってはいけない解熱剤があります。熱があっても自己判断で市販の薬を飲ませるのは避け、医療機関に受診して安全な薬を処方してもらいましょう。
ウイルスは空気が乾燥していると活発に活動するので、室内の湿度を適湿に保ち、換気をして、他の人にうつらないようにしましょう。かかっている人はマスクをしたほうがよいでしょう。学校保健法に指定されています。原則として、解熱した後2日たつまでは登園・登校はできません。
流行する前に予防接種をすることで、感染を防いだり症状を和らげたりすることが期待できます。また、流行時には、手洗いとうがいを励行することも予防に効果があります。 

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小児気管支ぜんそく
気管支がいつも炎症を起こしているためにとても過敏になり、ちょっとした刺激で気管支が収縮し、空気の通り道(気道)が非常に狭くなって、呼吸が苦しくなる病気です。ヒューヒュー、ゼイゼイという音が胸やのどから聞こえ、せきも出ます。この発作はくり返し起こり、数時間から数日続くこともあります。ひどいときには横になっていられず、座って呼吸をしなくてはならなくなったり、チアノーゼ(唇や爪が青紫になる)を起こすこともあります。
ほとんどは成長するにしたがって症状はおさまりますが、一度おさまって再発する場合や、大きくなっても発作を起こすこともあります。

気管支ぜんそくのほとんどは、アレルギー反応によって起こっていると考えられています。アレルギー反応とは、ある特定の物質に身体が過敏な反応を示すことで、その物質(アレルゲン)は、人によって違います。気管支ぜんそくのアレルゲンの代表的なものは、空気中にあるダニ・カビ・ほこり・ペットの毛・花粉など。また、ソバや小麦粉、魚介類、野菜などの食べ物や薬品で起こることもあります。これらのアレルゲンが体内に入ると、気管支の筋肉が収縮して気道が狭まるという反応を身体が起こしてしまうのです。
一部には、アレルギー反応ではなく他の要因によって同じような反応を起こし、気管支ぜんそくの症状が出る人もいます。
ぜんそくの人の気管支はいつも炎症が起きている状態なので、少しの刺激にも過敏に反応するようになります。すると、アレルゲンだけでなく、冷たい空気や煙、香水、大気汚染、激しい運動、ストレスなど、さまざまな刺激で発作を起こすようになります。

ぜんそくを起こしているものは何かを明らかにすることで、的確に対策を立て、治療を行うことができます。検査には、血液検査(アレルギーの有無やアレルゲンを調べる)、皮内反応検査(アレルゲンと思われるものを注射して反応を調べる)、誘発試験(原因と思われる物質を吸入して反応を調べる)などがあります。
気管支ぜんそくの治療には、1)発作が起きそうなときや起こしたときにそれを鎮めるための治療と、2)普段の生活の中で発作を予防する治療があります。
気管支の炎症を止める薬(抗炎症薬)や、気道を拡げる薬(気管支拡張薬)、アレルギーを抑える薬(抗アレルギー薬)などを、患者さんそれぞれの状態に応じて最も効果的に働くように使います。 

治療方法は?

ぜんそくの原因となったり、発作をひき起こす要因となるものを、できるだけ生活の中から排除しましょう。
●部屋の掃除をこまめにして、ほこりやダニなどをできるだけ残さないようにしましょう。
●布団にも直接掃除機をかけ、シーツやカバーをこまめに取り替えましょう。
●犬や猫などのペットを飼うのは避けましょう。
●室温の変化や換気に注意しましょう。
●市販のかぜ薬の中には、ぜんそくをひき起こすものがあるので注意しましょう。
●発作を起こしたときの処置の仕方を、かかりつけの医師に普段からよく相談しておきましょう。治療薬でおさまらない場合は、命にかかわることもあります。どのようなときに病院へ運べばよいのか、よく理解しておきましょう。 

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食物アレルギー
特定の食物に対してアレルギー反応を起こすことです。2歳以下の乳幼児は、消化管が未発達なため起こりやすいといわれています。どんな食べ物でも原因になり得ますが、多く見られるのは、卵、牛乳や乳製品、小麦、大豆、魚介類などです。
たいていは、食べて2時間以内に症状が現れます。じんましん、下痢、嘔吐、鼻水、ぜんそく、目がかゆくなる、唇が腫れる、口の中がかゆくなる…など、症状は人それぞれです。まれには、けいれんが起きたり呼吸が止まったりして、危険な状態になることもありますので、皮膚以外の症状が目立つ場合には、早めにかかりつけの先生にご相談下さい。
また、食べてもすぐには症状が出ず、2時間以上たってから湿疹が悪化したり下痢を起こす場合もあります。
きちんと治療すれば、ほとんどの場合、成長するにしたがって症状がなくなり、自然に食べられるようになります。

アレルギーの原因をつきとめよう!

アレルギーの原因になる物質をアレルゲンといいますが、これをきちんとつきとめることで、的確な対策と治療を行うことができます。病院で行う検査には、血液検査(アレルギーの有無やアレルゲンを調べる)、皮膚反応検査(原因と思われる物質を皮膚につけて反応を見る)、負荷検査(原因と思われるものを食べてみて反応を見る)、食物除去試験(疑われるものを全て除去してみる)などがあります。

治療方法は?

アレルゲンとなる食物を食事から除去するのが、最もよい治療方法となります。その食物が原材料としてさまざまな食品に入っている場合、完全に除去することが難しいため、食前にアレルギー反応を抑える薬(抗アレルギー薬)を服用して、症状が起きないよう予防することもあります。
症状が起きてしまった場合は、症状を和らげる薬(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬など)を服用します。また湿疹などの皮膚症状が悪化したときは、ぬり薬を塗って症状を抑えます。

家庭で注意することは?

●アレルギーは、口に入れたときだけでなく、吸い込んだり触ったり目の中に入ったりしただけでも起きる場合があるので、注意しましょう。
●意外なものに意外な材料が入っていることがあります。食品の表示に注意する習慣をつけましょう。
●食事療法を行うときは、除去しなくてはならない食品と同じ栄養を含む「代替食品」を上手に使って、栄養が偏らないよう、また楽しく食べられるように工夫しましょう。

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乳児脂漏性湿疹
生まれたばかりの赤ちゃんは、皮脂の分泌がとてもさかんです。そのため、皮脂腺(皮脂の分泌される場所)の多い頭や額、頬、あご、口や鼻のまわりなどに、分泌された皮脂が皮膚から漏れ出て固まり、かさぶたや黄色いフケのようなものになったり、かさかさを伴った赤いぽつぽつができたりすることがあります。このような皮膚炎を乳児脂漏性湿疹といい、軽いものも含めると、かなりの割合の赤ちゃんに見られます。
ほとんどの場合、生後6ヶ月くらいで皮脂の分泌がおさまり、皮膚のバリア機能も強くなって、症状は自然になくなっていきます。長いものでも1年くらいでしょう。

治療方法は?

家庭でのケアで自然に治ることが多いのですが、かさぶたに汚れや汗がまざりあったり、ひっかいてばい菌が入ったりすると、炎症を起こして赤くなったりかゆみを起こすことがあります。炎症が強い場合は、炎症を抑える塗り薬や、かゆみ止めの内服薬などを使って治療します。

予防はできる?

皮膚や衣服を清潔に保つこと。また、毎日の入浴のとき、頭や額の部分も石鹸やシャンプーできれいに洗い、皮脂を落としましょう。洗った後、石鹸をていねいに洗い流すことも大切です。これは、症状が出てしまった場合の治療方法にもなります。

家庭でのケアは?

●かさぶたは、石鹸(体)やシャンプー(頭)の泡を使い、強くこすらず優しく洗って落としましょう。よく洗い流すことが大切です。はがれにくいかさぶたは、ベビーオイルや白色ワセリンなどでしばらくふやかすと、落ちやすくなります。かさぶたは無理に取らないようにしましょう。
●ひっかかないように、赤ちゃんの爪はこまめに切っておきましょう。

こんなときは病院へ

●かゆみがあるように見受けられるとき。また、ひっかいて傷になったり血が出たりしたとき。
●かさぶたがじゅくじゅくと膿んでいる場合。
●症状がくり返し現れたり、長引く場合。

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おたふくかぜ
おたふくかぜのウイルス(ムンプスウイルス)が原因で起こります。空気中のウイルスを吸い込んだり、ウイルスのついたものを触って口に入れることでうつりますが、はしかや水ぼうそうほど感染力は強くありません(感染しても症状が出ない場合もあります)。2~3週間の潜伏期間ののち、発熱とともに、耳の下や顎の下にある唾液を作る腺(唾液腺)が腫れてきます。片方だけ腫れることも、左右両方が腫れることもあります。ものを噛んだり飲み込んだりするときに痛みがあり、また触っても痛がります。この腫れや痛みは、1週間~10日ほどでおさまります。一度かかると免疫ができ、もう一度かかることはほとんどありません。

治療方法は?

おたふくかぜは安静にして自然に治るのを待ちます。痛みや発熱を薬(解熱薬、消炎鎮痛薬など)で和らげる治療が主になります。

家庭で注意することは?

熱があるときは、安静にして水分を十分に補給しましょう。
噛むと痛むため、食欲がなくなります。柔らかくて栄養のある、食べやすいものを与えてください。酸っぱいものや辛いものも、唾液腺を刺激して痛みをひどくするので避けましょう。
まれに無菌性髄膜炎などの合併症を起こすことがあります。発熱が続いたり、頭痛や嘔吐、腹痛などがあるときは、すぐに小児科を受診してください。ごくまれに、片耳が難聴になることがあります。

お休みするのはいつまで?

学校保健法に指定されています。腫れがある間は人にうつるため、腫れがひくまでは、登園・登校はできません。

予防が大切

ワクチンの接種で90%感染を予防することができます。希望する人のみ受ける任意接種(有料)で、1歳をすぎれば受けることができます。

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とびひ
溶連菌とは、正しくは溶血性連鎖球菌という名前の細菌で、溶連菌感染症は、この菌に感染して起こる病気の総称です。最も多いのは扁桃炎(のどの感染症)です。38〜39℃の高熱が出て、体がだるく、急にのどが痛くなります。頭痛、腹痛、嘔吐などを伴うこともあります。舌の表面が赤くイチゴのようになるのも特徴の一つです。全身に赤くて小さい発疹が出て、その後、皮膚がぽろぽろとむけることもあります。 

治療方法は?

基本的には抗生物質(抗菌薬)を内服します。よくなったように見えても、抗生物質をやめると再発することもあるので、指示された期間きちんと内服しましょう。

家庭で注意することは?

患部が治るまではシャワー浴のほうがよいでしょう。かさぶたや分泌物を洗い落として清潔に保つようにします。
症状がおさまってきたと思っても、菌はまだ生きています。医師のOKが出るまでは、きちんと治療を続けましょう。

予防はできるの?

とびひを起こす菌類は、普段から人の皮膚に住みついているものです。普段は悪さをしませんが、傷などがあるとバリアを破って侵入してしまうのです。ですから、いつも皮膚を清潔にし、虫刺されなどをかきむしらないようにすることが大切。爪は短く切っておきましょう。

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はしか
はしかウイルス(麻疹ウイルス)によって起こる病気です。空気感染や接触感染でうつり、感染力がとても強いのが特徴で、潜伏期間は10日前後です。
はじめは風邪のような症状(発熱、咳、鼻水など)が現れ、口の中に「コプリック斑」という白い小さなブツブツが出てきます。熱はいったん下がりますが、数日後に発疹が出て全身に広がり、39℃以上の高熱が3~5日続きます。この数日が最もつらく、体力の消耗が激しい時期で、肺炎や中耳炎、脳炎などの合併症を起こすことがあります。その後熱は下がり、発疹も赤みが消えて、回復に向かいます。一度かかると免疫ができ、もう一度かかることはほとんどありません。

治療方法は?

現在のところ、麻疹ウイルスそのものを退治する特効薬はありません。解熱剤やせき止めなどで、症状を抑える治療が中心になります。

家庭で注意することは?

高熱が続き、体力も消耗しますから、安静にして、水分を十分補給してください。消化がよく食べやすいもので栄養を摂りましょう。
耳の痛み、ひどい頭痛、10日以上の発熱、嘔吐や下痢、けいれんなどがある場合は、すぐに病院へ。

お休みするのはいつまで?

学校保健法に指定されています。熱が下がってから3日たつまで、登園・登校はできません。抵抗力も低下していますので、他の病気への感染にも十分注意してください。
重い合併症を起こすこともある病気で、根本的な治療法がないため、予防接種をして感染そのものを防ぐことが重要になります。予防接種の時期は、1歳から1歳3ヶ月頃までが適当とされています。
今はしかが減少しつつあるこの時期こそ予防接種が大切です。

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プール熱
アデノウイルスというウイルスが原因の感染症です。
高い熱が出て、のどが赤く腫れて痛み、目には結膜炎の症状(充血、目やに、目の痛み、涙が出る)が出てきます。他に、せきや鼻水、頭痛、腹痛、下痢などの症状が出る場合もあります。のどが痛いので、食欲はありません。これらの症状が3~5日続きます。
正式には咽頭結膜熱といいますが、プールを介して伝染することが多いのでプール熱と呼ばれています。水だけでなく、空気中のウイルスを吸い込んだり、ウイルスのついたものを触って口に入れることでも感染します。年間を通してみられますが、夏に特に増え、7~8月がピークです。

治療方法は?

発熱やのどの痛みを抑える薬を使った対症療法が中心になります。結膜炎の症状には、点眼薬を使います。

家庭で注意することは?

のどの痛みで食欲がなくなっていますから、刺激がなく飲みやすいものや柔らかい食べ物で、栄養と水分を補給してください。熱が高いときは特に、脱水症を起こしやすくなります。お茶やイオン飲料などで十分に水分を摂るようにしましょう。

お休みするのはいつまで?

学校保健法に指定されています。症状がなくなってから2日間がすぎるまでは、登園・登校はできません。

予防はできるの?

有効なワクチン(予防接種)はありません。唾液や目やに、便の中にいるウイルスが感染源になりますので、タオルを共有することを避け、うがいや手洗いをしっかりしましょう。プールでは、水泳の前後のシャワーや洗眼、うがいを徹底することが予防法になります。

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ヘルパンギーナ
初夏から夏にかけて流行する、夏かぜの代表選手です。突然高い熱が出て、2~4日続きます。のどが真っ赤になり、のどの奥に小さな水ぶくれができるのが特徴です。このブツブツが痛いので、飲んだり食べたりが十分にできません。症状は、3~6日くらいで自然におさまります。コクサッキーウイルスなどというウイルスが原因で、せきやくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。このウイルスにはいくつもの種類があるので、何回もかかることがあります。

治療方法は?

主に、熱やのどの痛みを抑える治療を行います。

家庭で注意することは?

のどや口が痛いときは、硬いものや熱いもの、辛いものや酸っぱいものを避け、口あたりやのどごしのよいもので、水分や栄養を補給しましょう。食欲がなく、高熱のときは、脱水症状になりやすいので十分注意してください。ぐったりしているときはすぐに病院へ。また、まれに髄膜炎などの合併症を起こすことがあります。5日以上高熱が続くときや、嘔吐やひきつけの症状があるときも、すぐに小児科を受診してください。

お休みするのはいつまで?

熱やのどの痛みがある間は、家で安静にしていましょう。条件によっては、登園・登校を控えなくてはならないこともあります。

予防はできるの?

有効なワクチン(予防接種)はありません。うがいと手洗いを必ず行い、すでにかかっている子どもさんとの接触を避けることが予防法になります。

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下痢
便が普段より水っぽく、量と回数が多くてにおいもいつもと違えば、下痢の可能性があります。発熱や嘔吐(吐く)を伴う場合や、白い便・黒い便・赤い便が出る場合もあります。感染性胃腸炎や色々な病気に伴う下痢など、下痢を起こす病気はたくさんありますが、その多くはウイルス (ロタウイルス、ノロウイルスなど) や細菌 (病原性大腸菌、サルモネラ菌など) によるもので、まれに食べ物を消化できない病気、例えば、乳糖不耐症 (乳製品や母乳を消化できない) や心因性の下痢もあります。

治療方法は?

下痢は、体が悪者(ウイルスや細菌) を外に押し出し自分を守ろうとしている反応とも考えられます。そのため無理に下痢を止めようとすると、かえって症状を長引かせる事があります。ただ、下痢がひどい場合や長く続く場合は、その原因を検査するとともにお薬を用いる事もあります。特に細菌が原因である可能性が高い場合、抗生物質 (抗菌薬) を用いる事があります。脱水を起こしている場合は、速やかに治療を行う必要があります。

家庭で注意する事は? 

●下痢がひどく、また嘔吐も続いている時は、脱水を起こさないように水分補給が最も大切です。水分、特に乳幼児用のイオン飲料 (OS-1、アクアライトなど)を、少しずつ”チビチビ”与えましょう。水分を受け付けず、ぐったりしていたら、すぐにかかりつけの先生へ!
●食欲が出てきたら、消化の良いものを少量ずつ、回数を増やして食べさせます。具のない味噌汁や野菜スープなど液状のものから与え、おかゆ、うどんなどの柔らかい食べ物へと段階をふんで、徐々に固いものへ戻しましょう。治ってきたからといっていきなりたくさん食べさせたり、固形物を食べたりすると、再び下痢を起こす事があります。
●下痢の便はアルカリ性なので、おしりがかぶれやすくなります。こまめに洗ってあげましょう。

予防はできるの?

感染性の病気(胃腸炎)の場合は、手洗いと食品・調理器具の衛生管理、食品の加熱が予防の基本です。また体が弱っていると、ウイルスや細菌に感染しやすくなりますので、暴飲・暴食や睡眠不足などで体調不良にならないよう注意しましょう。そして、生で口に入れるもの、例えば、食材としての肉や魚の取り扱いに注意する事も大切です。

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手足口病
夏に多い子供の病気の代表選手です。5~8月にかけて乳幼児の間で流行します。名前のとおり、手や足、口の中に発疹や小さな水疱(みずぶくれ)ができる病気です。原因となるウイルスは何種類かあり、違う種類のウイルスにかかると何度でも発症します。風邪と同じように、空気中のウイルスを吸い込んだり、ウイルスのついたものに触ってそれが口から入ることで感染します。潜伏期間は3~6日。熱が出ない場合もあり、また、口の中の水疱が破れて痛み、食べたり飲んだりするのをいやがることもあります。発疹・水疱はふつう、1週間~10日ほどで自然に治ります。

治療方法は?

主に発熱や痛みを和らげる治療になります。

家庭で注意することは?

口の中が痛んで食べ物や飲み物が摂りにくくなっているときは、酸っぱいものや刺激の強いもの、熱いものは控え、水分補給をまめに行いましょう。夏は脱水症状になりやすいので注意が必要です。脱水でぐったりしているときなどは、すぐに医院・病院へ!
また、まれに髄膜炎になることがあります。高熱や頭痛、嘔吐などがあるときも、すぐに小児科を受診してください。

お休みするのはいつまで?

熱や発疹がある間は、登園・登校を避けましょう。条件によっては、登園・登校を控えなくてはならないこともあります。

予防はできるの?

有効なワクチン(予防接種)はありません。手をよく洗うこと、衣服などを清潔に保つことなどが予防法になります。特に便に含まれるウイルスは1ヶ月ほど排出されますので、おしめの始末のあとなどは念入りに手洗いをしましょう。

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水疱瘡
「水痘帯状疱疹ウイルス」というウイルスに感染して、水疱(水ぶくれのようなブツブツ)ができる病気です。感染力は非常に強く、空気中のウイルスを吸い込んだり、ウイルスのついたものを触って口に入れることでうつります。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は約2週間。まず熱が出て、ほぼ同時に赤い発疹ができ、それがかゆみのある水疱になり、次第にかさぶたになってゆきます。水疱は次々とできてきますが、1週間~10日くらいで全ての水疱がかさぶたになって、治ります。

治療方法は?

発疹が出てから3日以内に、ウイルスを殺す薬(抗ウイルス薬)を服用することで、症状を軽くすることができます。また、かゆみを抑えるため、塗り薬を使うこともあります。
発熱には解熱剤を使いますが、水ぼうそうには使ってはいけないもの(アスピリンの入ったもの)がありますので、注意が必要です。医師から処方されたものを使いましょう。

家庭で注意することは?

●水疱をかきむしると、化膿してあとが残ることがあります。爪は短く切り、皮膚や手、衣服はできるだけ清潔にしておきましょう。熱がなく、水疱が破れていなければ、入浴してもかまいません。
●口の中のブツブツが痛いときは、酸っぱいものや辛いものを避け、食べやすいものを与えてください。

お休みするのはいつまで?

学校保健法に指定されています。感染力がとても強いため、水疱が全てかさぶたになってしまうまで、登園・登校はできません。

予防が可能です

任意ではありますが、予防接種があります。

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嘔吐
嘔吐は、発熱と同様、赤ちゃんや子どもによくみられます。生まれたばかりの赤ちゃんが、おっぱいのあと、よく吐く事があっても他に症状がなく体重が増えていればあまり心配いりません。大きい子どもさんでも、突然吐いて、その後はケロッとしている場合も同じです。ただ赤ちゃんがよく吐く場合は、一度はかかりつけの先生にご相談ください。一方、嘔吐が発熱や下痢、腹痛などを伴っている場合は、病気によるものと考えられます。多くはウイルス (ロタウイルス、ノロウイルスなど) まれに細菌 (病原性大腸菌、サルモネラ菌など) が原因で起こる病気(感染性胃腸炎)です。嘔吐を繰り返す、頭痛や血便がある、顔色が悪い、元気がない、ぐったりしている、などの場合は、腸重積や髄膜炎など重症の病気の可能性もあり、急いでかかりつけの先生を受診してください。

治療方法は?

嘔吐は、体が悪者(ウイルスや細菌など) を外に押し出し自分を守ろうとしている反応とも考えられます。また嘔吐の多くは数時間以内に治まっていく事が多いようです。そのため無理に症状を抑える必要がある事はまれです。
吐き気が強く医師が診察したうえで、あるいは指示で嘔吐を止める薬(一般に座薬)を用いる事もあります。しかしながら嘔吐が頻繁である場合、長引く場合は、症状を止めるよりも原因を明らかにする事が大切ですので、かかりつけの先生へ相談しましょう。

家庭で注意する事は?

●吐いたものが気管やのどに詰まらないよう、吐く時は横向きに寝かせます。
●吐いたあとしばらくは何も与えずに様子を見ましょう。吐き気がおさまってきたと考えられたら、水分、特に乳幼児用のイオン飲料 (OS-1、アクアライトなど)を、少しずつ”チビチビ”与えましょう。吐かないようなら回数を増やしてゆきます。
●下痢を伴っている事が多いので、脱水を起こさないよう、水分と電解質をしっかり補給しましょう。そのため乳幼児用のイオン飲料(OS-1、アクアライトなど)や野菜スープなどを少しずつ与えましょう。そして食欲が出てきたら、おかゆ、うどんなど、柔らかい食べ物へと段階をふんで、徐々に固いものへ戻しましょう。吐いている時期は、あわてて食べさせても固形の物は受けつけません。吐くのが収まるのを水分を”チビチビ”取りながら待ちましょう。
● 水分を受け付けず、ぐったりしていたら、すぐにかかりつけの先生へ!

予防はできるの?

感染性の病気(胃腸炎)の場合は、手洗いと食品・調理器具の衛生管理、食品の加熱が予防の基本です。また体が弱っていると、ウイルスや細菌に感染しやすくなりますので、暴飲・暴食や睡眠不足などで体調不良にならないよう注意しましょう。そして、生で口に入れるもの、例えば、食材としての肉や魚の取り扱いに注意する事も大切です。

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